なつのまぼろし

奇妙に現象に出会った。東京駅の丸の内側からイオカードで入場しようとしたところカードが出てこないのである。改札を通過したところで「カード詰まり」のエラーがでて、ブザーが鳴り始めた。すると、私の後ろにいた人が一瞬の躊躇をした、しかし、その人の入れた定期券は少し遅れて出てきて、その人は足早に去っていった。わたしは、イオカードを飲み込まれたまま待ちぼうけだ。

駅員がやってきた。 「どうしたんですか。ああ、詰まってますね」

駅員は、ガシャンコと自動改札機を開け点検するがイオカードは見つからない。

「ないですねー。おかしいなー。詰まってるはずなのにないですね。ちょっと聞いてきますね」

何を聞きに行くのか、駅員はその場を離れた。その間に、なんと続々と、エラーが起きた改札機を人が通過していく。何事もなかったかのようだ。

しばらくして、何事かのヒントを得たのか駅員が来て点検するもののやはり見つからない。

「変だけど見つかりません。後の人が持って行っちゃったんですかね。カードの残りがどれだけだったかはわかりませんが、千円あげますからイオカード買って、それで許してください」

明らかに三千円程度の残りがあったはずなので不満はあったが、その駅員の責任とも言えない。渋々千円もらって、ホントにカードを買いに行った。千円のイオカードを改札に通し、出てきたカードをポケットに入れた。その後は、目黒まで何事もなかったように来たのだが、心の底では二千円損したわだかまりがくすぶっていた。

さて、ミラクルはここから。 

降りようとイオカードを取り出すと、なぜか、他のカードとくっついている。見ると、機械油がついている。しかし、もっとよく見るとなくしたはずの五千円カードじゃありませんか。「ヤッタ、ラッキーなぜかわからないが、千円儲かったのか?」と思っていると、買ったはずの千円イオカードはない。すり替わったのか?なぜ?妖精の仕業か?超能力?ちなみに、出発点の印字はない。磁気記録は問題ないらしく、目黒の改札はぬけられた。

もしやと思って、五千円カードをみると、千円カードとの共通点に気がついた。

五千円カード直前の残額は3030円。東京駅入札時でちょうど残高が3000円を切る。

イオカード5000円券は、三千円を切った段階で一度パンチ穴が開けられる。

新規購入1000券、最初の使用時にパンチ穴が開けられる。

あと、5000円券でパンチ穴が開けられるのは、

初回、四千円、三千円、二千円、千円、五百円、百円、残高ゼロ

のタイミング。入札時に初乗り料金が引かれることから、パンチ穴が開けられるのは確率的に5人に一人程度だ。また、定期券には穴は開けられない。

つまり、パンチ穴を開ける場合、改札機内で別経路を通るとすると説明可能なのだ。

1.私が5000円券を入れたときは、パンチ穴が開けられるタイミングで、そこで油がついて詰まった。

2.後の人は、定期だったのでその経路は通らない。

3.たまたまイオカードの人が通っても、パンチ穴が開かないタイミングだった。

4.駅員が調べたのは、機械の中の見慣れた通常経路で見つからなかった。

5.後で入れた、千円券は必ず新品なので必ずパンチ穴が開けられる。その券が5000円けんを押し出した。

うーん。そうなんだろうか。しかし、そう考えるしか偶然を説明できない。でも、そうすると、私の後のひとで、なんかの拍子でパンチ穴が開くタイミングだった人のイオカードは千円券にすり替わっているはず。ウムムッ。イオカードがすり替わった体験をした人はご一報ください。