くじらのこえにつつまれること

イルカやクジラは、視界の利かない海中での活動のため、自ら発した超音波の反射波をもとに、対象の形状、材質感を感じ取っていると考えられています。人間においても左右聴覚へ到達する音波の微妙なずれから立体聴や空間の広がり感などを感じていますが、イルカやクジラでは、それの特異に発達した脳の処理能力により視覚に頼らず位置、速度、形状までを判定しているわけです。

昔話題になったドルフィンバブル行動においても、作ったバブルに対して、イルカが音波を当てて確認行動をとりますが、彼らとしてはちょうど手で触って感触を楽しんだりしているような感覚なのでしょう。

イルカの言葉を研究する試みがありましたが、人間の視覚に相当する情報量を音でやりとりできる彼らにとっての言葉とは、文法のような原始的構造を持つのではなく、考えているビジュアルや感じている手触りをダイレクトに伝えるものなのかもしれません。

クジラの静的で哲学的な雰囲気とは裏腹に、実は周りのいろんなものに触れて、感触を楽しんだり、遠くの仲間とビジョンの交換を楽しんだりしているに違い有りません。ヒトがクジラのかまびすしさを理解するのはいつ頃になるのでしょうか。