正義のマグマ

土曜のアンニュイな昼下がりに、一人寂しくテレビを見ていると有珠山の噴火の仕組みを少年少女に教える番組がやっていた。お約束通りに、「日本沈没」がポップだった頃からおなじみのプレートテクニクスだ。

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またかと思って聞いていると、ハカセは、

「火山のマグマは、このフィリピン海プレートが、ユーラシアプレートとこすれ合う摩擦によって出来るのじゃ。」

「ふーん。」 子供たちは、素直に納得していた。

しかし、これは直感的に納得できない。私のリクツの魂は炸裂したのだ。

「ハカセっ、納得できません。プレートの移動は年間せいぜい十センチでは?」

そんな、亀より遅いマサツがあるかいっ!直感的に納得できん!発生した熱は拡散しないのか?溶解するような急な温度勾配を維持できるのか?よしんばホントだとしてもカガクする少年少女はそこで疑問をもたんかいっ!つっこみをいれんかい!

台本を元に演じている劇団員に怒ってもしょうがない。だいいち小学生は、センセイが答えられないギモンを持ってはならないのだ。ましてやハカセなんだもの。私は学校の勉強が嫌いだ。だって、学校は知りたいことは教えてくれずに、教えたいことを教えるだけなのだ。

プレート運動によるエネルギーは変形またはたわみとして蓄積され、他方で破壊などにより熱に変換されるエネルギーとして消費される。確かに、プレート境界には、ある程度の熱エネルギーが放出されるであろう。しかも、圧力が高ければ、いわゆる摩擦も大きい。しかし、それがマグマの主原因なのだろうか。プレート境界付近は、同一深度の他の部分より温度が高いのだろうか。むしろ他の原因がドライビングファクターなのではないだろうか。そう思いながら、「理科年表」をめくっていると興味深いデータが散見された。

まず、溶岩は、5-10%の水分を含むのだ。また、水分を含んだ岩石は、融点が200度程度低くなる。さらに、圧力変化と融点の関係を見ると、低圧付近で200度程度やはり、融点の顕著な低下が見られる。

さて、それを踏まえて、上の図を見て欲しい。プレート沈み込み付近、世界の火山分布地帯は海洋に沿った環状分布をしているのだ。海底の土砂をプレート内部に引きずり込むのであれば、そう、

  1. プレート境界付近の地質は、海底土砂の巻き込みにより、水分を多く含む
  2. それにより、もともと、融点の低い岩石層が形成されている。つまり液化しやすい。
  3. 一定の深度の地層は、一定の温度勾配に従って温度が上昇する
  4.  2と3で、プレート境界では浅い地点でも溶解がおきやすいということ。
  5. これに、プレートのひずみ修正に伴った、断層によって、クラックが発生し、部分的に圧力の低い場所が発生する
  6. 圧の低下は溶解を誘発する。これにトリガーされ、深度の浅い地点で、液化した岩石層、マグマだまりが出来る。これは、クラックに従って、水分濃度の高い軽いものほど上昇する

というような、手順で火山が出来るのではあるまいか。ああっ、検証のためにボーリング調査をして地底の温度分布が知りたいっ。どこかに載っているのを発見した方は是非ご一報ください。

勝手にリクツ作って満足できる無責任な幸せ。いいっすよね。