金融やドリブン

現在国内投資はやっていない私であるが、頼まれて国内案件の評価に立ち会うことは多い。特に最近驚くのは

の二つである。

ベンチャー企業は、ベンチャー企業であるが故にバランスシートや損益計算書だけでは会社内容が判断できない。経営陣の能力やビジネスコンセプトの深さなどに大きく依存している。そのために経営者と直接あって、バックグランドやビジネスに関するつっこんだ質問をすることにより、実直さや性格とプランの妥当性などを検証することが欠かせない。いわゆる「タフクエスチョン」だ。

これに対して、公開を目前に控えた会社は、機関投資家を対象にしたいわゆるロードショーというものを行う。これは限定された時間でCEOがプレゼンテーションを行い、まとまった質疑応答をうける形で行われる。日本のVC向け説明会は、ちょうどロードショーのような感じだ。

とすると、確かに日本のVC向けの説明会というスタイルには合理性がある。実のところ、VCの多くは、VCというより機関投資家的な金融機関であり、また、あまり質問もしない、とゆうより、財務諸表以外から会社を判断することになれていない。であれば、まとめて処理した方が効率的だろう。また、日本的な会議は、互いのやりとりより、一方的報告や上位者の意志を伝える場となっていることも影響しているかもしれない。またVB側が、VCに期待するのは高い金額で、株を買ってもらうことなのだ。競りには参加者が多い方が良いだろう。

過去、擬似機関投資家的VCのために、アーリーステージ段階のVBに資金が行き渡らないという弊害があった。しかし、マザーズの登場以来、つけのつけ回しが可能になってしまったのだ。最終的にはより限定された判断能力しか持たず、限定された情報にしかアクセスできない一般投資家が買ってくれる株であればよい。

これからビジネスを始めます。製品は来年出ます。そして年末に公開します。さあ、投資してください。ふとみると未公開の段階から証券会社や証券系VCの知恵袋がついている。

それがいわゆる金融や案件である。コアのビジネスの内容は関係ない。良い会社もあるが、プランの目的が公開になっているのだ。「ベンチャーだからリスクはあるよね」というわけで、マザーズで買う客の「自己責任」につけ込んでいる。客が安心できる材料と「夢」があることが必須だ。公開時に一般投資家に説明するストーリーを基にビジネスの方向性を作っていくパターンもある。他にも

といったように。えてして「夢」の部分はぼやけている。しかし、いいじゃないか、結果が出る頃に株を持っているのは一般投資家なのだ。異常な時価総額の株を言い値で買ってくれる限り、この手法は一般投資家にリスクを負わせて確実に儲ける手法だ。なにより一般投資家が欲しいのは宝くじだ。

現在、金融市場は規制緩和の初期段階にあたる。初期段階には、オーバーシュートが付き物だ。しかし、ベンチャー市場は今年後半からは選別の時代に入って行くのであれば、来年始めには金融や案件の多くが困難な時を迎えていることだろう。IT革命では付加価値を生まない中間流通が排除されるのだとゲイツ様も言っているではないか。

そんなわけだから、金融やの皆さんは年末に緩和されるREIT市場に早く行かれてはいかがでしょうか。そっちは、皆さん昔から好きな土地が材料ですよ。