派出所にて

 

「あのぅ」

「どうしました?」

「あのぅ、自分を探してるんですけど、どうしたらいいんでしょう」

「あぁ、自分さがし。最近多いんですよ、そーゆーひと、じゃ、こちらの遺失物届けに記入して」

「何を言うんですか!違います!自分は、”もの”じゃありません!それに、”自分を失くした”んじゃなく”自分をさがし”てるんです」

「こまかいですねぇ。そうですか、失礼しました。じゃ、こちらの、捜索願のほうでいいですかね。」

「それならいいでしょう。あと、家出人でもないですからねっ。」

「探してるのか、家にはいるのか、不思議ですが、とにかく納得して頂けましたか。では、探している自分の特徴を書いてくれますか」

「とくちょう....ですか。」

「はい。特徴がわからないと探せないでしょ」

「うぅ...ジブン、特徴がないんですぅ....」

「まぁ、まぁ、そんな、泣かなくても良いじゃないですか。どうです、なんかあるでしょ。体型とか服装、年齢とか」

「体型...そう! まずは、十日で五キロ痩せるんです。しかも外国語に堪能で。それで、仕事をこなしながらも、家のことはちゃんとして。オシャレには気を遣って。資格ももって、年齢は感じさせない」

「感じさせないって、それじゃわからないっていうか、いや、その、目標じゃなくてね....ていうか、むしろ目標に特徴がない、っていうか、あれっ、いなくなった。消えちゃいましたか。まぁ、自分を探していると言うより、ショボイわたしが見つけても困るというか、でしょうな」

ホンカンさんは、かるいため息をついて、外を見つめました。

「あ、すみません。トイレ行ってました。どこまで書きましたっけ」

「まだサガスんかい....十分ユニークやん」