金持ちじいさん

国内1400兆円の個人金融資産があり、この70%が60才以上。50%が70才以上の人によって所有されている。とはよく聞く話である。これを人口統計により計算すると

70才以上(約1500万人@2000年)の一人あたり金融資産は約 4700万円。

60−69才の一人あたり金融資産は約 1900万円

ちなみに、45−59才では、一人あたり 1200万円 44才以下は、100万となる。44才以下は、赤ちゃんまで含んでいるので4人の平均世帯で考えると400万となり、まぁ、そうかなと思う水準である。

70才以上の資産が60台の倍、もし、老夫婦二人と考えれば世帯平均約9000万。平均である。驚くべき数字だ。はたして、この増えている資産の意味はなんであろうか。

70才以上は、配偶者が死んでいることもあろうから、相続による集中効果もあるのだろうが、この世代の長子相続的な名残や、共働き率の低さから考えれば、それほどの影響があるとは思えない。もっとも単純な説明は、これがバブルで作られた不良債権資金の行き止まりの場所ということである。

都内をモデルに考えれば、この70才以上の世代は、40年前に住宅購入年齢に達し、1960年の工業用地の地価高騰を見て、1973年前後の、戦後最初の住宅地価高騰前に住宅を取得し得た世代である。 この何もしなくても、フツーに金持ちになれた世代の一部は、バブル期に土地を売却し多額の金融資産を形成した。状況から考えても、都内戸建ての世帯主の年齢 主体は彼らではないか?身近な知り合いの事例を見ても、、その後の世代のサラリーマン(六十代前半から団塊世代まで)はかなりの遠隔地に自宅を購入している。数値で表れる金融資産 は氷山の一角であり、ほとんどはそのまま保持を続けたのであろう。

ところで、目黒区における、世帯あたり収入分布を見るとき、年収2000万を超える世帯は、トップの1%に満たない。これに対して、第一種低層住宅地にたつ、50坪程度の標準的な戸建ての価格は未だに1億を超えている。明らかに、世帯の収入のフローとストックがバランスしていない。つまり、そこに住んでいる世帯主の収入で買うことの出来ない戸建てに住む人がほとんどなのである。 潜在的なアンバランスは、依然蓄積されている、現状は低い流動性により、アンバランスが維持されている状態なのである。

それで、結論だが、

 「下げ止まったと言われる、都内でも、都市計画上、高層住宅に転用できない山の手通り外側エリアの戸建て宅地の価格は、今後十年で大幅な価格修正が行われる」

と思われる。

ある程度の流動性が存在する中古マンションでは、既に、利回りによって説明できるレベルまで取得価格が落ちてきている(注1)。流通不在といわれた日本の中古戸建て住宅だが今後10年で発生する金持ちじいさん世代からの相続は、いやおうなく、高止まりしている中古戸建て価格に流動性をもたらし、そこに住む人のフロー収入とバランスするところまで下がって行くだろう。

金持ちじいさんの世代とは、戦時中の貧しさと苦労をバネに戦後復興を支えた世代である。あの高度成長と、繁栄した日本経済は、この人たちの渇きを癒し得たであろうか。 かさ上げされたマボロシの繁栄はうたかたのごとく、役割を追えて消えていくのかもしれない。日本も普通の国になっていくのだろう。

して、こう書きながら、「ヘッドライトテールライト」あたりを聞いたりすると、涙ぐんじゃうのである。だって、男の子なんだもん。

これわかる人も、いい年だよなー。

 

注1

東京区部7.9%、埼玉10.1、千葉11.6%、神奈川6.0(中古マンション利回り)