ノイズの効用

昔いた会社のオフィスで、座席の近くに株やさんがいたときに、短波ラジオの株式情報を流しっぱなしなのに閉口したことがある。銘柄と株価を、間断なく放送し続けるあの放送である。

ただ、株やさんにとっては、間断なく流れ続ける相場情報を聞きながら無意識に重要なトレンドや投資銘柄の値動きをピックアップするために、習慣付いた昔ながらの方法であったのであろう。同様に、普段の仕事に関しても、何気なく耳にする雑談、電話の音声、人の行き来の様子、表情などが結構重要な情報源となっていることに気がつくことがある。

特に、人間関係が重要であったり、散発的に発生する様々な事象にタイムリーに対処していくことが重要な営業系の職場にとっては、活気のある風通しの良い職場とは、みんなの活動状況が見渡せて無意識のフィルターリングを活用できる職場であることが多い。古来、人類は、無意識のフィルターを通して、雑多な情報の中からアラーム、メッセージを広いとる能力を磨いてきたのだ。

これに対して、業務の内容が集中して物事を考えたりすることに比重が多い開発系の職場では、営業的なざわついた環境は集中の阻害要因になりがちなのだ。しかし、それでも考え抜いたあげく、行き詰まったあげくに、ふとした雑談とか、街の雑踏などに身を置いてみると新しいアイディアが浮かんでくることもある。

さて、単に、価格の安さという観点から評価されるIP電話や、必要性すら疑われているテレビ電話も、常時接続を前提として考えれば、「必要なときに、必要な人に電話をかける」というコスト制約からはなれた活用方法こそが実は有効なのではないだろうか。たとえば、離れた本社内部の音声/画像を在宅勤務者のパソコンとか、地方の支店の何となく目につく場所に流しっぱなしにしておくとか、ラジオ放送のように音を流しっぱなしにするとかである。電話をかけるのでなく、すべて筒抜けにするのである。

情報化というと、とかく、存在するデータを別の箱に詰め込む方法ばかりを考えるのであるが、人間本来の情報処理能力を生かす、つまり、ノイズ処理能力を活用する方向性も考えて良いであろう。

閑話休題

ところで、ソフトウェアの世界では、アプリケーションは、設計通りにではなく、テストした範囲でのみうまく動くというのが経験則である。ブロードバンドというパンドラの箱を開けてしまったプロバイダーは、今後しばらくは思ってもいなかった使い方に起因したネットトラブルに悩まされることになるのは必至である。Webページのブラウズでは、瞬発的にデータが転送されるだけで、あとは、回線はあいたままなのにたいして、ネットゲームや、ストリームでは、恒常的にデータ転送があり、それを遅滞なく送受信しなければならないのだ。

あなたのブロードバントでは、次の1Mbpsのストリーム映像は、問題なく再生されますか?

月光浴

ちなみに、提供元のBarksは、音楽系PVのポータルで、もとは、米国Launchの子会社。現在は、100%のソフトバンク系列です。