うつぶせで寝る

わたしは、うつぶせで寝る。というかあおむけでは寝られない。私の寝る姿勢はこうだ。

まず、首を左にむけ、右手で左の肩を掴んだら、そのまま右手が肩に触れたまままっすぐ延ばす。

左手は、宣誓しながら誓う時のように、あるいは、ヤアと挨拶するかのような形で肘を90度に曲げて、掌は天を指す。

そのまま、上体を落とし、がに股のポーズをとったなら、左足はそのままで、右足のみをすっくと伸ばす。

それをうつぶせで地面においたなら、それが私が眠る姿勢である。あくまで概念図であるが下の挿絵を参考にして欲しい。

 

こうしてうつぶせで眠る私に対して、人は首が痛くありませんかと聞く。確かにたまに凄く痛い。人体構造上無理な姿勢なのか。「苦しくありませんか」と聞かれるが、自分としては寝やすい楽な姿勢だ、いや、しかし、ホントは苦しいのか。これが苦しいとするなら、他の人はうつぶせで寝るわたしの健やかな眠りを凌駕する超快適な眠りをむさぼっていると言うことか。その快適さたるや筆舌に尽くしがたいであろう。なんとうらやましい。

数あるほ乳類のなかで、腹をさらけ出して、つまりあおむけに眠る動物は人類ぐらいではないか。腹は、弱点だろうし、四つ足動物にとってあおむけは、とっさの逃走行為がしにくい 体勢である。だが、その反面、仰向けで寝る姿勢は、視覚による状況判断の点では有利であろう。また、2足歩行が前提であれば、起きあがる速度に大差ないかもしれない。 あおむけで寝ることは、「地上の覇者」としての人類の特権なのか、それとも進化に呼応した睡眠姿勢なのか。

いずれにせよ、太古からの睡眠姿勢の継承者であるわたしは、ただうらやむばかりである。