こつこつとまじめに生きるの巻

うちは白熱灯主体の照明なのだが、何カ所もあるためか良く切れる。それでコンビニで60W球を買うたびに「なぜ、ハロゲンランプが売ってないのだろう」と不思議に思っていた。おなじ店でデスク用はミニクリプトン球を売っている。ご存じのように白熱球の中ではハロゲンランプの方が長持ちするのだ。

そんなおり、プロジェクター用ハロゲンランプの世界シェアの多くを握る日本メーカーについて話を聞く機会があった。高い評価の理由を聞いたところ、「切れないような構造に手間暇かけて作っているだけです」とのこと。謙遜もあるのだろうが実は、細々とした改良のプロセスこそが、なかなか追いつけない参入バリアを形成する。20世紀最後の半導体技術も実のところ製造過程と材料の改良の積み重ねであり、だからこそ、ムーアの法則も長期間維持できたのだ。

テキサスインスツルメンツのDMD

低公害型エンジン

RSA暗号

GaN発光ダイオード

など基本的な発想は出来たのはどれも二十年以上前なのに、周辺プロセスの実用化とマーケットが立ち上がるのには年月を要した。

ソフトの開発においても、ホントにコアとなる部分は全体の数パーセントに過ぎない。コアな発想の大切さは否定しがたいが、それを世の中に出す根気を持っているのかどうかが問われる資質のなのである。ネット起業家の諸君もそろそろこつこつとまじめに生きることを考えてはいかがか。奇抜なアイディアや、ビジネスプランより、それを実現する泥臭いプロセスの方がずっと困難で大切なのだ。すくなくとも「それで、それはだれがやるの?」と聞いたとき、「やる人はもらった金で雇います」と他人頼みなことは言わないでね。投資家がやる仕事がなくなっちゃうじゃないか。そんな楽な仕事は私に任せておきなさい。

さて、最初のハロゲンランプだが、ヤマギワに行ったら「料理がうまく見えるランプ(寿命も倍になります)」として売っていた。たぶん蛍光灯がある現在、白熱灯を買うヒトは寿命には関心が薄いのであろう。せっかくの改良も、ニッチマーケットでしか生きないと言うことか。

商売やるなら、やっぱり”かるさ”が信条なのね。