太陽系の旅

人の生体リズムに基づいた一日は24時間より長いと言われているように、私は長い休暇に入ると、徐々に寝る時間が遅くなり、ほぼ三日で昼夜逆転した生活になってしまう。今回も正月早々に朝の9:00ぐらいに寝て、夕方過ぎに起きる生活になってしまった。

しかし、おかげで、夜中のテレビ番組が見られるのはうれしいことだ。特に、NHK教育の「太陽系の旅(4:00−4:54日によって違います)」はとてもおもしろい。俯瞰的な視点や地表からの眺めなど観察者の視点をダイナミックに切り替えることによって、惑星の動きがホントによく理解できる。テーマ毎の短い短編の積み重ねになっている点も飽きさせないポイントなのだろう。見終わると、つい、明け方の水星でも見てみようかという気分になる。

さて、十五年くらい前にはやった考え方の一つに「人間中心原理」というものがあった。これは、人間がエライという考え方なのではなく、「我々の観察可能な世界は、生物としての人類が発生かつ観察可能な世界に限定されている」という基本的に事実から、重力定数など主要物理定数がなぜこの数なのかを説明しようとしたものだ。

水が液体として安定に存在するという地球では当たり前のことも、太陽系の惑星では地球のみで観察されることであり、太陽からの距離が近すぎも遠過ぎもせず、24時間という、遅すぎない自転速度をを公転面に対して垂直に近い自転軸で維持しているからである。そのようなまれな環境を我々が観察しているのは、そのような環境でなければ我々が発生し得なかったからであり、これが「人間中心原理」だ。「あなたが見たとき、あなたがそこにいるのは、あなたがそこにいなければ、あなたは見ない」からで、我々は、たまたま人類が発生可能な条件がそろった、珍しい宇宙を観察しているのかもしれない。つまり、観察者が観察される宇宙の有り様を逆に規定しているということだ。

宇宙、無限。

世紀の変わり目くらいちょっぴり遠い目をしてみたい。休みがあければ、またごたごたした日常が待っているのだから。

といいつつ、ごたごたした日常を見るあなたってば、じつは...いや、考えまい考えまい。